leemiyeonのブログ

在日韓国人です。10歳の事故で今は車椅子ですが、楽しく生きたいをモットーに日々奮闘しています。

遅ればせながら東方神起に在籍していたジェジュンファンとなった私

        

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私が小売業の本社に勤めていた時か、東方神起が流行っていた。しかし、その頃の私はK-POPに興味などなく、「李さん、東方神起は知ってる?」「はい、最近よく名前を聞くので知っています」「東方神起は有名だもんね。ところで、今度うちで2PMとの商品コラボの話があるんだけど…」

私は、その後、以前書いたように、2PMにすっかりハマることになるのだが、それは5年ほど経った後のことで、上記会社を退職してからの話。

ところで、先日、ジェジュンドキュメンタリー映画オン・ザ・ロード」ををたまたま観に行った。K-POP好きな私は、東方神起→その後のジェジュン・ユチョン・ジュンスの脱退→JYJの発足→東方神起はユノ・チャンミンでの活動開始、JYJは各個々人の活動に徹している、この一連の流れは知っていたし、分裂をもたらしたのが、ジェジュンの化粧品事業への着手がそもそもの発端であると報道されていることも、自身で調べて知ってはいた。しかし、真相は本人たちにしかわからない、その中で、現状、韓国での活動を制限されているに等しい(大手事務所の圧力ゆえか、もしくはその事務所を敵に回したくないTV制作会社の恐れゆえかはわからない)脱退した3人達、特に日本での活動が目立っているジェジュンがどういう気持ちで過去を振り返り発言するのか、何とはなしに興味を持ったのがきっかけだった。

普段、BTSの活躍を報道で耳にし目にしながら、私としては、ジェジュンを始めとする3人の脱退がなければ、東方神起BTS同様、いやそれに負けなくらい、世界的活躍をしていたのではないかとふと思うことがあった。だからこそ、余計にジェジュンの口から何が語られるのか、知りたかったのかもしれない。

 

映画の内容は、監督のさりげない体でのインタビュー形式のせいか、ジェジュンも気負うことなく、自分をさらけ出しているように見えた。家庭が貧しいがゆえにバイトをしながらの下積み練習生の時代。東方神起としてようやく歌手になる夢をかなえた彼。

人気が出てきた彼に襲う実の親が別にいたことが報道された事実。彼が有名になるや自分が彼の親だと自慢気に話す実母、そして兵役中に会いに来る実父。この実親と養子として大事に育ててくれた両親との中で苦悩する彼。

理由はどうであれ、どんな事柄も責任の一端は自分にもあること(相手があることなので多くは語らないが、東方神起脱退の原因についてであろうことはわかる)から、自分の心に深く刻み込んだ言葉として(彼は忘れないためにタトゥーとしてもその文字を体に刻んでいる)、他人のせいにしない、そして、信念を貫くということを常に肝に銘じていると話していた。東方神起を愛してやまない、JYJも例にもれず 、自分にとって忘れてはならない大事な存在をも彼はあえて上記のようにタトゥーに残している。それは、彼にとっての人生の大事な一部であるから。

 

アンチの中には、彼のせいで、東方神起がバラバラになったと思う方も多いであろう。彼もそれを感じているから、自分は嫌われ者だと言う。言い訳をしない彼、その優しさゆに、かえって彼の心を慮ると胸が締め付けられ、涙が止まらない私であった。

 

それにしても、責任の一端が彼にあるとして、10年以上経っても非難されなけれならないほどの出来事だろうか。彼に理由があったにせよ、なかったにせよ、契約違反は当然の結果としても、世間から未だに批判され続けなければならいほどの大きな出来事だろうか。その頃、ファンでもなかったあなたに、私たちファンの気持ちがわかるのかと言う声もあるだろう。確かに、ファンのその当時の辛さや悲しみはわからない。しかし、アーティストも人間である。ファンの前で欠点一つない聖人君子たるスターが果たしているだろうか。その脱退騒動がなかったら、本当にこのグループは順風満帆にすべてがうまくいったとは言い切れない。たらればでものを言うのが一番危険である。

 

私は、かえって彼のこの映画での言葉一つ一つが人間味があり、彼の人柄に触れた気がして、とても好感を持てた。今までファンではなかった私ではあるが、時に襲う孤独と寂しさの中でも、たった一度の人生だから後で後悔はしたくない、過去には戻れないし、戻りたくないと言って、前を向いて進んでいく彼の姿に魅せられた。キラキラしていてかっこいいだけがアーティストではない、周りからうそつきだのこの映画で同情を買っているだの言いたい放題言われようとも、自分の恥部をさらけ出すというのはとても勇気のいることだ。これぞとばかりに虚勢を張る人間、他人のせいにして責任を押し付ける人間がこの世にいかに多いことか。

と同時に、自分の物差しで、3人の脱退騒動がなかったら、今頃世界的飛躍を...などと勝手気ままなことを言っていた私自身を恥じた。

彼は、今の自分が一番幸せだとして懸命に生きているのだ。

そうだ、一番つらい思いをしたのは、メンバーたちなのだ、私がとやかく言うことではない。

 

 

私がジェジュンに好意を持った点は、他にもある。私も、人と親しくなろうとするがあまり、すべてをさらけ出す人間である。それが、長所でもあり短所。仲良くなれることもあれば、当然傷つき傷つけられ、互いに疎遠になることも多々あるわけだから。

また、孤独と寂しさに押しつぶされ、時に家の中で叫んでしまうことがあるとのこと。これも私と同じである。普段、人の話をよく聞く耳は持って相談に乗る機会は多くても、私自身の心の奥底にある闇や空虚感、孤独感までは極力他人には言わない。一匹狼、強がりのように見えて、実は寂しがり屋。

さらに、最も好きな映画が「ライフ・イズ・ビューティフル」であり、韓国の映画では「私の頭の中の消しゴム」であるとのこと。全く同じである。音楽においても、20代前後で聴いたソテジハアイドゥルに始まり、日本のXJAPANを聴いて感化されたこと、この経緯も同じ(私は基本的に幼少の頃からロックが好きである)で、おこがましいが、親近感を覚えた。

 

私は元来感激家だと思う。映画やドラマ、またはドキュメンタリー、報道記事、小説等、あらゆる媒体で知り得た、頑張っている人の姿を見ては泣き、苦労している人の姿を見ては泣き...感涙にむせぶこと毎度のことである。

 

私は、今回の映画でジェジュンの人となりを知り、アーティストとしてもさることながら、一人の人間としても好きになった。もちろん、今まで応援していた2PM、VIXX、MONSTA X等、嫌いになったわけではないし、今まで通り、応援もしている。ただ、人間として良くも悪くも自分をさらけ出し、困難の中でも信念を貫くと言う彼が、私には尊敬に値する人物として、他のアーティストよりも見習うべき存在であるという、その位置づけの違いだ。

恥ずかしながら、私が信念を貫くほどの努力をしていると言えないから...。