leemiyeonのブログ

在日韓国人です。10歳の事故で今は車椅子ですが、楽しく生きたいをモットーに日々奮闘しています。

馴れ合いの怖さ―感謝を忘れずに―

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私は結婚して13年になる。

主人は、筋ジストロフィーという難病を抱えて必死に生きている。出会った頃は、まだ歩けたが、いまでは手足の力がほとんどなくなり、寝たきりの状態が多い。それでも、プログラミングの仕事を武器に、バイト扱いではあるが、ぎりぎり仕事を続けている。

 

私も両足が麻痺していて、精神的にも闇を抱えている。

よく周りから聞かれること。「どうして、美蓮ちゃん、わざわざ障害のある人と結婚したの?」と。今まで生きてきて、健常者からの告白やアプローチはそれなりにあったし、ときめいたことがなかったかと言えばうそになるだろう。

しかし、私は主人を選んだ(いや、今思えば私が選んでもらったのだ)。付き合ってから結婚するまで、主人は言い続けた。君はこの病気を知らないから、かわいそうで未だそばにいてくれるんだろうけど、僕の口から結婚なんてとてもでないけど言えない、お願いだから逃げてくれと。私は、それでも、あなたと一緒に生きていくと伝えた。結婚という形に正直縛られなくてもいいと思う私ではあったが(結婚に期待を抱いていない私は事実婚でも構わないと思っていた)、主人の両親を安心させてあげたかった。

 

13年、共に働いて働いて働きづくめの日々だった。その中で、確実に彼の体が衰えていく中、バリアフリーの家が必要ということになり、私は少しでも楽な方向でと、借金をせず、一括で土地と家を購入した。これは、主人の金銭管理のおかげで家が建ったものである。元来、私は浪費型の人間であるから。

彼がいなければ、これほど仕事に精を出すこともなく、生きてこなかったろう。頑張っては来なかった私かもしれないが、少なくとも働く上での原動力は彼であった。彼のおかげで全うに社会人生活を送れたのは事実である。もちろん、今離職中の私であるが、できる限り、これからも働きたいと思っている。

 

こう書くと、美談に聞こえるかもしれないが、13年にもなれば、激しい喧嘩の1つ、2つは当然あって、それは、いつもお金のこと、金銭感覚の違い、価値観の違いということになろうか。結局は、すべて私が悪い。金銭感覚について注意されると、自分の収入が自分のためだけでなく、彼のためにも使われていることを、恩着せがましく言ってしまう、最低最悪の攻撃をする醜い私なのだ。

 

結婚して13年。馴れ合いに甘んじてはいけない。夫婦でも、夫婦だからこそ、感謝の気持ちを忘れずに。こんなに私のことを思って、大事にしてくれる人はいないのだから。少々頑固おやじの域に入ってきたが、初心忘るべからずで、大好きな彼と仲良く、楽しく、残りの人生を生きられることを第一に考えながら、これからは、私自身も自分を大事にしつつ、少しでも社会に貢献すべく、「自分ができること」を折り返し地点に来た残り少ない(?)人生でやってみたい。

 

神さま、至らない私ではありますが、生きている人のために、病んでいる人のために、苦しんでいる人のために、生きるのが辛い人のために、私を用いてください。